潜在精巣(停留精巣、陰睾)
片方または両方の精巣が陰嚢内に降りていない状態を潜在精巣と呼びます。猫よりも犬で多い病気です。生後6か月齢以上の犬猫で、触診で陰嚢内に精巣が1個のみ(片側性)または全く精巣が存在しない(両側性)場合に診断されます。下降しなかった精巣は、鼠径部(太ももの付け根)や腹腔内(お腹の中)にとどまっています。
潜在精巣はそのまま放置すると腫瘍化する危険性が健康な状態よりも約10倍高くなるといわれています。とくに腹腔内で腫瘍化した場合、発見が遅れる事もあるので注意が必要です。そのため潜在精巣と診断した場合は、腫瘍化する前の早期の段階で停留した精巣を手術で摘出する事がすすめられています。
この病気は遺伝性疾患と考えられているため、交配はすすめられません。