高齢動物の認知障害(ぼけ)-犬と猫の病気用語集

高齢動物の認知障害(ぼけ)

猫では10歳以上、大型犬では6歳以上、小型犬では12歳以上の高齢になると認知障害(ぼけ)を認める事があります。人と同じように動物でも認知障害になりやすい子となりにくい子がいるようです。
症状は方向感覚の消失(部屋の隅に行く、後退出来ない、ぐるぐる回る)、行動の変化(ボーッとする、無気力、異常に食べる)、睡眠周期の変化(昼間は寝て夜に活動する)、排泄の失敗(おもらし)ならびに夜鳴きなどです。はじめは睡眠周期の変化や不安な様子など軽い症状からはじまり、一般的に年齢とともに進行します。明らかな脳神経学的異常(発作など)があれば、詳しい検査が必要となります。
人と同じように根本的な原因が明らかになっていないので、治療の目的は症状の進行を遅らせ、快適で安全な生活環境をつくることにあります。例えば、正常な行動を促して褒めたり、適度な刺激(遊び)を与えます。また、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)または抗酸化物に富むフードやサプリメントは症状の進行を遅らせることが出来るかもしれません。

*夜鳴きについて*

疑われる原因があれば、その問題を解決することによって改善することがあります。例えば、排泄の要求(トイレに行きたい)、何らかの不快感(寒い、お腹がすいた)、痛みまたは精神的な不安などです。
夜鳴きが重度の場合、お薬を処方する事があります。しかし、最初は効果があっても、だんだん効かなくなる場合もあります(重度の認知症の場合、お薬にも反応しない場合があります)。残念ながら特効薬はありませんが、フード、サプリメントまたはお薬を適宜使用するとともに、昼間にずっと寝ているようであれば、日中に軽い運動をさせるなどによって、昼夜逆転の生活を元に戻せるかもしれません。また、夜中に排泄や空腹がないように、トイレの時間やご飯の時間を変えてみるのも良いと思います。

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