薬浴(皮膚病ためのシャンプー療法)
犬と猫に用いるシャンプーには、「美容用シャンプー」と「薬用シャンプー」があります。
美容シャンプーは汚れを落とす、被毛の艶を出す、匂いをつける、など被毛の審美に対する効果を期待して使われます。
一方、薬用シャンプーは皮膚病の改善を目的として作られたシャンプーで、被毛よりも皮膚に対して作用します。薬用シャンプーには、含まれる成分によって期待される効果が違いますから、患者さんごとの皮膚症状や原因に合わせて選択します。その為には、動物病院で皮膚病の原因や状態をきちんと検査し、適したシャンプーを選ぶ必要があります。
薬用シャンプーには大きく分けて4つの種類があります。
- 抗菌性シャンプー:細菌やマラセチアの増殖を抑える
- 角質溶解性シャンプー:フケや脂を減らす
- 保湿性シャンプー:保湿する
- 止痒性シャンプー:かゆみを減らす
薬用シャンプーは長期間使用しても、副作用の危険が少なく、自宅でも可能な治療法です。薬用シャンプーの一般的な使用頻度は週2回程度ですが、改善が認められた後は、使用回数を減らしたり、他のシャンプーに切り替えたりする事があります。詳しくは動物病院の先生とご相談ください。
*薬用シャンプーの使い方*
- シャンプー前に丁寧にブラッシングを行います(被毛の長い子は特に)
- ぬるま湯(25〜30℃ぐらい)で体を十分に濡らします
- 薬用シャンプーを使い、泡立てながら皮膚表面をマッサージするように擦り込む(5分から10分続ける)
- シャンプーをぬるま湯で十分に洗い流す
- 皮膚の汚れや付着物が多い場合は、2度洗いする(3と4を繰り返す)
- タオルドライを十分する
- ドライヤー(できれば冷風)で乾かす
シャワーやドライヤーの温度が高すぎると、皮膚の乾燥、刺激またはかゆみの原因になる事があります。注意してください。
脱脂作用の強い薬用シャンプーは皮膚が乾燥しやすくなる為、シャンプー後に保湿性シャンプーや保湿効果のあるリンスなどを用いる事があります。