猫の下部泌尿器疾患(FLUTD)-犬と猫の病気用語集

猫の下部泌尿器疾患(FLUTD

原因の如何にかかわらず、下部泌尿器(膀胱・尿道)で生じる炎症性疾患をすべて指します。猫においては、感染(細菌など)によって発症することは少なく、結晶尿(ストラバイト・シュウ酸Ca・リン酸Ca)が原因となる事が多いと言われています。膀胱や尿道内で生じた炎症産物と結晶によって形成された栓子が尿道内で閉塞し、様々な程度の排尿障害を起こします。

症状は頻尿(何度も少量のおしっこをする)、血尿(おしっこに血が混じる)、排尿困難(なかなかおしっこが出ない)または排尿痛(おしっこをすると痛がる)などですが、重度の場合は完全におしっこが出なくなる状態(完全尿道閉塞)となります。完全尿道閉塞が解除されないと致死的となることから、すぐに動物病院を受診する必要があります。

本疾患は症状、尿検査、画像検査(レントゲン検査、超音波検査)および血液検査によって診断されます。

治療ですが、尿道閉塞がある場合は閉塞を解除し、結晶・結石の除去(内科的または外科的)および予防、感染症に対する処置などを行います。予防は結石の種類によって異なりますが、

  1. 食事療法
  2. 利尿(おしっこを多く作らせること)
  3. 尿路感染の治療

が主体となります。予防を怠れば高率に再発します。また、特発性膀胱炎(無菌性膀胱炎または間質性膀胱炎)と呼ばれる膀胱炎が発症する事もあります。これは検査の結果、考え得る原因が全て否定された場合に診断されます。猫はストレスから特発性膀胱炎を起こす事があるため、薬物治療とともに生活環境などの改善なども必要となります。

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