猫の歯肉口内炎-犬と猫の病気用語集

猫の歯肉口内炎-犬と猫の病気用語集

難治性口内炎、慢性歯肉口内炎、慢性潰瘍性歯肉口内炎またはリンパ球性フラズマ細胞性歯肉口内炎など、様々な名称で呼ばれる歯肉と口腔粘膜の慢性炎症性疾患です。本疾患は口腔内細菌やウイルス、異常な免疫反応など様々な要因が複合して発症に至ると考えられています。症状としてヨダレ、口臭、口を気にする、開口時の痛み、痛みによる採食障害などが認められます。実際に口の中をみてみると、口腔粘膜の発赤、潰瘍または肉芽組織の増生などの異常が明らかとなります。

治療としては、歯石除去などを中心とした通常の口腔内ケアの他に、抗生物質、ステロイド剤、インターフェロン、ラクトフェリン、消炎鎮痛薬または免疫抑制剤などの内科的治療も行われます。特にステロイド剤は症状の改善に有効ですが、一時的な改善が認められるのみで完治を望むことは難しいとされています。抜歯などの本格的な外科的治療は、完治や顕著な改善が期待できる最も有効な治療法とされています。それでも術後改善までに数カ月から数年と時間のかかることがあり、なかには完治せずその後も内科的治療の継続が必要な場合もあります。外科的治療は顎骨を削るなどの侵襲性の高い手術であるため、外科的治療の必要性については実施前にその必要性を慎重に検討しておく必要があると思われます。

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